それは俺にとって「ハイボール」に違いないと気づいて、二杯めのハイボールを飲んだ

気流に煽られ、足早に頭上を通過する巻積雲の尾流雲群。

消散間近な巻積雲の尾流雲。
昨夜は午前1時という異常に早い時間に寝てしまったので、朝7時過ぎにはもう目が覚めてしまった。別に無理して起きた訳じゃない。「休みの日は寝ている場合じゃない」というのが、俺の昔からの変わらぬ信念だからだ。それに、今日は「お布団でごろごろ読書」をやると決めていたからね(笑)。
実は読書というものは、ちゃんと起床して、洗面して、着替えて、椅子に座り、コーヒーを飲みながら、机に向かって「さあ、読むぞ」なんて感じでは決して捗らないものなんだよね(笑)。そんな状況では、雑念や雑用や諸々の雑事に「さあ、読書の邪魔をしてください」と呼びかけているようなものだ(笑)。だから、本気で読書をしようと思うなら、読書に集中するための「環境の構築」が何より重要だ(笑)。その一つが「通勤の電車の中」だった(笑)。これほど読書に最適な環境は、なかなかないということはおわかりいただけると思う。しかし、俺は今サラリーマンを辞めて家で仕事をしているから、そんな環境は望むべくもない・・・。そこで、考え出した次の策が「お布団でごろごろ読書」という訳だ(笑)。基本的に「何があっても」布団からは出ない(笑)。もう手当たり次第に読んだ。久しぶりに小説も読んだし、たまった歌集やコミックも消化して至福の時を過ごした。
「何かとしかいえないもの」
長田弘
それは日曜の朝の中にある。
それは雨の日と月曜日の中にある。
火曜と、水曜と、木曜と、そして
金曜の夜と土曜の夜の中にある。
それは街の人混みの沈黙のなかにある。
悲しみのような疲労のなかにある。
雲と石のあいだの風景のなかにある。
おおきな木のおおきな影のなかにある。
何かとしかいえないものがある。
黙って、一杯の熱いコーヒーを飲みほすんだ。
それから、コーヒーをもう一杯。
それはきっと二杯めのコーヒーのなかにある
出典:長田弘著 『食卓一期一会』所収 (晶文社 昭和62年/1987年刊)
それは俺にとって「ハイボール」に違いないと気づいて、二杯めのハイボールを飲んだ。

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