Boats Sail on the Rivers / If All Were Rain and Never Sun ── クリスティーナ・ロセッティの詩を読んでみる 第7回

主虹・副虹・過剰虹が勢揃いした大アーチ。惜しむらくは、副虹がもう少し鮮やかだったらというところだが、そこまで望むのは贅沢と言うものだろう。

「副虹」が一番鮮やかな時のカット。「主虹」(右下の濃い虹)と「副虹」(左上の薄い虹)の色の並び順が逆であることに注目されたい。

「過剰虹」(青・藍・紫の下に見えるやや明るい帯)が一番明瞭な時のカット。
一昨日の素晴らしい虹の記憶が薄れないうちに、敬愛するクリスティーナ・ロセッティの二篇の詩と併せてご紹介させていただきたいと思う。僭越であることは百も承知だが、何とぞご容赦のほどを。また"Boats Sail on the Rivers"については、本シリーズに於いて既出であることをお断りしておきたい。
"Boats Sail on the Rivers"
Christina Rossetti
Boats sail on the rivers,
And ships sail on the seas;
But clouds that sail across the sky
Are prettier far than these.
There are bridges on the rivers,
As pretty as you please;
But the bow that bridges heaven,
And overtops the trees,
And builds a road from earth to sky,
Is prettier far than these.
「橋」
クリスティーナ・ロセッティ
小船はゆくよ、川の上、
汽船はゆくよ、海の上、
けれども空の上をゆく、
雲はどれより美しい。
川にはかかる橋の数、
きれいな、きれいな橋の数、
けれども遠い木の上の
空とつちとにかかる橋、
にじはどれより美しい。
(西条八十 訳)
出典:『少年少女世界文学全集 第50巻 世界少年少女詩集/世界童謡集』所収 (講談社 昭和37年/1961年刊)
"If All Were Rain and Never Sun"
Christina Rossetti
If all were rain and never sun,
No bow could span the hill;
If all were sun and never rain,
There'd be no rainbow still.
「虹」
クリスティーナ・ロセッティ
すっかり雨で 陽がでなきゃ
丘に虹は たたないよ
陽ばかりさして 雨がなきゃ
虹はやっぱり たたないよ
(大原御耶雄 訳)
出典:『SING-SONG A NUSERY RHYME BOOK ロセッティ童謡集』所収 (研究社 昭和33年/1957年刊)
原詩出典:"SING-SONG – A Nursery Ryme Book"(クリスティーナ・ロセッティ童謡集)所収 1893年刊
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