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ざっくり言うと「ハロ」と「アーク」があるんだよ ── 楽しい?大気光学現象入門 第1回

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さえき奎(けい)
果報か吉兆か偶然か必然か果報か吉兆か偶然か必然か(解説図)「果報か吉兆か偶然か必然か」 Canon EOS 5D Mark II, EF 24-105mm F4L IS USM, f8, 1/500sec., ISO100, WB:Daylight
一度に複数のハロやアークが出現することを「マルチディスプレイ・ハロ」という。運と条件さえよければ、それこそ7種類も8種類ものハロやアークが天空を彩ることもあるそうだが、一度でいいからそんなソラに巡り合ってみたいものだ。これは「マルチディスプレイ・ハロ」と呼ぶにはいささかショボい感じは否めないが、それでも5種類のハロとアークを確認できた。ほんの微かに「ウェゲナーの向日アーク」らしきものも見えるのだが、おそらく目の錯覚だろう。パリーアークもかなり怪しいがこれだけは信じたい・・・(笑)。

たき:今日は、奎さんにこのブログの大きなテーマの一つでもある大気光学現象について語ってもらいましょう。
:語ってもいいんだけど、しょせんオタクの世界の話だからな・・・。
さわ:そんなにすねたりしないで、わかりやすくそのオタクの世界のこと教えてくださいよ。
たき:そうですよ。私だって、もっとよく知りたいなと思うことが、ごくごくたまーにないこともないんですから・・・。
:別にすねたりしてねえよ!でもまあ、そこまで「どーしてもって」お願いされるんならしょーがねえな(うれしそう)。「大気光学現象って何なんだ」ってところから行くとするか。大学の講義風に言うと「大気光学現象概論」って感じかな(笑)。
たき:奎さんがよく「ハロ」という言葉を使われてますけど・・・。
:「ハロ」ってのは「大気光学現象」のうち太陽(時には月も)を中心に環を描いて出現するものと考えてもらっていい。一口で言えば太陽の周りに見えるわっかだ。毎度毎度"た・い・き・こ・う・が・く・げ・ん・し・ょ・う"なんてくそ長い文字を打つのは疲れるじゃねえか。まあ環を描いてない現象でもハロと呼んじまうこともあるけど、やっぱり大気光学現象ってのが長過ぎるからだろな。
さわ:そうか。大気光学現象が「ハロー、ハロー、オタクさん」なんて挨拶しながら出現するように見えるから「ハロー」なんですね。
:お前のそのユニークな発想にはいつも二日酔いを醒まさせてもらってるよ、ありがとな。
さわ:それって誉めてますよね。
:もちろんだ(笑)。だけど「ハロー」"Hello"じゃなくて「ハロ」"Halo"だからな(ネイティブ・スピーカーが発音すると「ヘイロー」と聞こえる)。日本語では光輪・光環・暈(かさ)などという。一番普通に見られるのは太陽や月に「暈がかかる」と言われるやつでこれは見たことあるだろう。
たき:それならあります。よく月に暈がかかると雨になるとか言われてますよね。
:そう。あれがハロの代表で太陽や月から22度離れたところに環になってかかるので「22度ハロ」というのが正式名称だ。内暈(うちがさ・ないうん)あるいは単に暈(かさ)ともいう。
たき:22度ハロと言うからにはそれ以外のハロも出るんですか。
:その通り。46度に出るやつは46度ハロ外暈(そとがさ・がいうん)言うんだが、22度のやつとは違ってこれはかなりレアな現象だし、出現したとしても極めて淡いものであることが多い。他にも9度・18度・23度・35度にも出ることが確認されている。9度はたまに見られるが他はレアと言っていいだろう。他に特殊なものとして「幻日環」という現象、これ自体レアな現象なんだが、その希な現象のさらなる希な場合に全周、つまり環を描いて出現することがある。但し、太陽の回りにではなく環が太陽を貫いた形をしている。
たき:新聞やテレビの気象情報番組などで単に「ハロ」と呼んでいたりするのを見かけるんですけれど、これはその22度ハロのことなんでしょうか。
:うーん、気象予報士といっても、大気光学現象については意外にもあまり知識を持ってない人がいるんだなあ。先日も、虹の脚(虹の弧の根元部分)が見えているだけなのに、「珍しい『虹色の雲』が出ていた」なんて書いて抗議と問い合わせが殺到した人がいたんだよ(笑)。まあ、単に「ハロ」とだけ書くのは誤解を招くからやめてほしいな。今説明したように「ハロ」というのは何種類かある現象の包括的な名称だからさ、きちんと「22度ハロ」かそれがめんどいなら「内暈・うちがさ」という立派な日本語があるんだからそう書くべきなんだよ。昔はちゃんと「内暈」と書いていたように思うんだけど、最近は確かに「ハロ」としか書いていないケースが多いな。まあ、気象予報士ですらそういう人がいるんだから、記者なんかは何にも知らないか半可通で横文字のかっこよさげな言葉を使ってみただけなんだと思うよ(笑)。
たき:実はその「22度離れてというのがよくわからないんですが・・・。
:空にあるもの同士の間隔を言うのに何cmとか何mとか言えないだろう。「太陽から5cm離れたところに幻日が出現しました」なんて言った時に、それはどこでどいういう風に測った5cmなのかちょっと考えてみてくれよ(笑)。
さわ:えー、空に定規を当てて測ってみればいいんじゃないですか。
:ちょうどあの時計が円形をしているから、ちょっとこれを持って直径を測ってみろよ(定規を渡す)。
さわ:えーと、4cmですね。やっぱりこれでいいんじゃないですか。
:お前、今手を伸ばして測ったけど小学生だったら4cmだと思うか。少し手を引っ込めて測ってみろよ。
さわ:あれれ、今度は3cmになりました。
たき定規では測る人の目と定規との距離によって数字が変わって来るんですね。
:そのとおり。だから空にある任意の2点の間隔を表す場合は角度で言うってことだ。大体東の地平線上と西の地平線上の距離なんて何mって言うつもりだよ(笑)。
たき:なるほど。誰が測ろうと頭の真上と地平線上だと90度、東と西の地平線だと180度ってことですね。よくわかりました。
さわ:(何事もなかったかのように)えーと、以前奎さんの写真ですごく明るい虹みたいのを「外接ハロ」と書いてありましたけど。
:おい、相づちくらい打ったらどうなんだよ(笑)。たくもう・・・あれもハロの一種だけど22度ハロと一緒に出ることが多い。真円の形をしている22度ハロの12時と6時のところにだけ接していて3時と9時のところがふくらんだ楕円形をしているんだ。ただ、氷晶の形の関係だと思うんだが、22度ハロと外接ハロが完全な形で同時に出現したのは観たことないけどな。
たき:それで「外接」というんですね。
さわ:円に楕円、角度が何度とか外接だとか、幾何の勉強みたいで頭が痛くなって来ました(笑)。
:頭痛起こすのはまだ早いぞ(笑)。この外接ハロは形が一定ではなく、太陽高度が低くなってくるとだんだん上下に離れて行って最後には別れてしまうんだ。その時22度ハロの時計の12時の位置に接して出るのを上部タンジェントアーク、6時の位置に接して出るのを下部タンジェントアークと呼ぶ。上下のものを合わせて単にタンジェントアークとも呼んだりするぞ。
さわ:今度はタンジェントですか。赤点取った悲しい思い出よみがえって来て、じんましんが出そうです(笑)。
:タンジェントと言っても三角関数のタンジェントとは違うからじんましんは引っ込めろ(笑)。このタンジェントアークもどんどん形が変わって行く。例えば上部タンジェントアークは、太陽高度が低くなるにつれて「つぶれたM字形」→「U字の下部分というか下括弧形」→「V字形」と変化して行くから面白い。
たき:別に面白くはないですが、何だかタンジェントアークって得体の知れない幽霊みたいなものなんですね(笑)。
さわ:今度は「アーク」って言葉が出て来てますけど・・・。
ハロ"Halo"が光輪つまり「環」であるのに対し、アーク"Arch"とは「弧」のことで、言ってみれば円の一部を切り取ったような弓形をした曲線のことだ。ただし、ハロが必ずしも環の状態で見えるとは限らない。氷晶の分布状態によって一部分しか出現しない時はハロのように弧に見えたりするということは覚えておいてほしい。

22度ハロ(内暈)環天頂アーク
「ハロとアーク」
写真左:22度ハロ(内暈・うちがさ) Canon EOS 5Ds R, EF24-105mm F4L II IS USM, f11, 1/1000sec., ISO100, WB:Daylight
写真右:環天頂アーク Canon EOS 5D Mark II, EF 24-105mm F4L IS USM, f8, 1/500sec., ISO100, WB:Daylight

さわ:ハロとアークでハローアークですか。間違えて職を求める人たちが来そうです(笑)。
:来ねえって、それはハローワークだ(笑)。お前さあ、どんどんオヤジ化してねえか?俺でもそんな寒いオヤジギャグ滅多にかまさんぞ(笑)。
たき:今頃気づいたんですか。ずっと前からさわちゃんは根っからのオヤジギャルですよ(笑)。
:全然知らんかったよ(笑)。まあ、大気光学現象には大きく分けてハロとアークの2種類があると思ってもらえればいい。共通しているのはそれらが空の上にある氷晶、つまり雲をつくっている細かい氷の結晶を太陽光が通過する時の屈折作用で見えるということだ。
さわ:オタク現象ってハロとかアークとか英語ばっかりなんですね。日本人なら日本語で言うべきだと思いまーす。
:そうだな。ちゃんと日本語もあるぞ。例えば環天頂アークは「環天頂弧(かんてんちょうこ)」、上部タンジェントアークは「上端接弧(じょうたんせっこ)」、上の写真にある上部ラテラルアークは「上部接線弧(じょうぶせっせんこ)」てな具合だ(笑)。
さわ:余計舌を噛みそうじゃないですか。あーもう、頭痛薬はどこへやったかな(笑)。
たき:奎さん、さわちゃんの限界が近そうですので第1回はこのへんでお開きにしませんか(笑)。
:そうだな。じゃあ次はいろんなアークについてやるぞ。
さわ:もう全部「虹」ってことでいいんじゃないですか。
:思い出したよ。その虹とハロやアークの根本的な違いについてもやるぞ(笑)。
さわ:わあ、やぶ蛇になっちゃった(笑)。

  第2回へ行ってみる:私を「虹」と呼ばないで ── 楽しい?大気光学現象入門 第2回  



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さえき奎(けい)
Posted byさえき奎(けい)

Comments 9

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さえき奎(けい)
さえき奎  
Re: 環水平アークは縁起わるい?

がちょーさん、こちらこそ度々どうもです(笑)。

> 環水平アークは縁起わるいって言われてもおりましたよ;
> でもこれは自然現象でもありましたね

あ、そうですか。初めて聞きました。環水平アークは見栄えがして美しく、前の返信にも書きましたが夏の間の陽が高くなる季節にしか見られないレアな現象ですので、少なくともソラおたくの間では吉兆というかラッキーなこととして認識されていますよ。

> 自然界に現れる天然物も美しく輝いて私達はそれを魅了してもおりました!
> もちろん私も環水平アークを魅了して感動もしておりましたよ(*^▽^*)//

あれを観て何とも思わない人はまずいないでしょうね。がちょーさんは5月に新潟方面に出現した環水平アークは観られたんでしょうか。

2019/06/18 (Tue) 12:55 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎  
Re: タイトルなし

黒ゆとりさん、いつもありがとうございます。

> 「ハロ」と聞くとどうしてもまずガンダムのやつが頭に浮かんでしまいます……。
> ガンダム詳しくないのにこの刷り込みの強さったら。
> で、「アーク」と聞いて思い浮かぶのは「聖櫃」です。
> 多分インディのせいです。

ガンダムのハロってあの小型の丸いロボット(?)のことでしたかね。いやあ、おっしゃるとおりで、しょせんオタクの世界のことですからガンダムやインディには最初から敵いませんよ。そちらをイメージするのは当然です(笑)。まあ、大気光学現象のことは頭の片隅にでもとどめておいていただいて、いつか観る機会がありましたら「ああ、これのことか」と思いだしていただければ幸いです。きっと心に残ると思いますよ。

2019/06/18 (Tue) 12:28 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎  
Re: こんばんわ~~♪

ねこニャン’19 さん、こんにちは。いつもありがとうございます。

> 難しいけど楽しい!

三人の馬鹿話を少しでも楽しんでいただけたのでしたらうれしいです(笑)。

> 科学館とかの類に行くと色々な説明などと、実験装置があったりしましたが・・
> でもプラネタリウムとか天文台とかは『夜空』が主流ですよね。。
> 『昼空』は少ない気がするんですが・・何ででしょうね?

これは私の推測ですが、星空は晴れてさえいれば何時でも観察できますよね。虹とかハロやアークは文字どおり天の采配ですからね。見たいと思っても見られるわけではないので対象になりにくいのではないかと思います。まあ、雲なんかだと何時でも観察できますし、星空にも負けない魅力を持っていると思うんですが(笑)。

> もう次回が楽しみです(^▽^)/

ありがとうございます。

2019/06/18 (Tue) 12:21 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎  
Re: 環水平アーク

がちょーさん、どうもです。

> 環水平アークですね!
> 私もよく見ますよ^^

今回は環水平アークの写真は載せていなかったのですが、新潟方面では5月に素晴らしい環水平アークが観られたそうですね。他の大気光学現象と違って夏の間の陽が高くなる季節にしか見られないものですからラッキーですね。

2019/06/18 (Tue) 12:13 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/06/18 (Tue) 05:27 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
環水平アークは縁起わるい?


度々こんばんわ^^
環水平アークは縁起わるいって言われてもおりましたよ;
でもこれは自然現象でもありましたね
自然界に現れる天然物も美しく輝いて私達はそれを魅了してもおりました!
もちろん私も平アークを魅了して感動もしておりましたよ(*^▽^*)//


2019/06/17 (Mon) 22:43 | EDIT | REPLY |   
黒ゆとり  

「ハロ」と聞くとどうしてもまずガンダムのやつが頭に浮かんでしまいます……。
ガンダム詳しくないのにこの刷り込みの強さったら。
で、「アーク」と聞いて思い浮かぶのは「聖櫃」です。
多分インディのせいです。
難しい話についてこられない人がいたら、もしかしてこんなことを考えているのかもしれません。

2019/06/17 (Mon) 20:54 | EDIT | REPLY |   
ねこニャン’19  
こんばんわ~~♪

難しいけど楽しい!
科学館とかの類に行くと色々な説明などと、実験装置があったりしましたが・・
でもプラネタリウムとか天文台とかは『夜空』が主流ですよね。。
『昼空』は少ない気がするんですが・・何ででしょうね?
もう次回が楽しみです(^▽^)/

2019/06/17 (Mon) 19:32 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
環水平アーク

環水平アークですね!
私もよく見ますよ^^

幻想的に丸い虹綺麗でありましたよねv-290

2019/06/17 (Mon) 18:58 | EDIT | REPLY |   

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