立ちどまらなければ見えないものってたくさんある ── よい人生かどうかって、そういうものをどれだけ見たかってことじゃないんだろうか

トップ画像は、波状巻積雲に出現した光環だ。光彩が美しく分散しているにもかかわらず、揺らいでいるような歪なフォルムが興味深い。また光環全体が、尾を引いて流れているようにも見えるが、もちろんこれは錯覚で、流れているのは巻積雲の方だ(笑)。
昨日の記事でチャーシューメン談義を呼びかけさせてもらったら、皆様から多くのコメントを書き込んでいただいた。思いがけず業界関係の方からもメールを頂戴した。大勢の方にこの拙いブログを読んでいただいていることに、改めて強く感謝の意を表したいと思う。本当にありがとうございました。
今日は外出したので、贔屓の店に寄ってチャーシューメン大盛りにライスをオーダーして、チャーシュー・メンマ丼をこさえて食べたよ(昨日も書いたように、この店のチャーシューメンは、メンマだけはのっけてくれているんだよね)。まあ、いろいろお騒がせしてしまったけれど、とにかく「ラーメンは美味いなあ」ってことで(笑)。
「立ちどまる」
長田弘
立ちどまる。
足をとめると、
聴こえてくる声がある。
空の色のような声がある。
「木のことば、水のことば、
雲のことばが聴こえますか?
「石のことば、雨のことば、
草のことばを話せますか?
立ちどまらなければ
ゆけない場所がある。
何もないところにしか
みつけられないものがある。
出典:長田弘著 『世界は一冊の本』所収 (晶文社 平成6年/1994年刊)
前回ご紹介した「静かな日」と対を成すような作品だと思う。というか、彼の作品に共通する訴えが「立ちどまって耳を澄ませ!」ということなんだよね。こういうことを言うと、何もかもわかっているような顔をして「フッ」なんて薄ら笑いを見せるような連中もいるんだけれど、そんな半可通の輩にこの真理は永遠にわからないだろう。「空の色のような声」や「雲のことば」を聴いてみたいと切に思う。
尚、第二連に二箇所「文頭のみ」表示されている鉤括弧、つまり "「" があるが、これは原典通りの表記であり、作者の意図する表現法であると思われるので、そのまま掲載していることをお断りしておきたい。

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