たのしむとは沈黙に聴きいること ── 酒が美味いとはとりあえず幸せだということ

バタバタとしていた今週だが、何とか土曜日を休むことが出来た。まあ、体調的にはイマイチなんだけれど、あの寝落ちが響いているであろうことは、認めたくないが間違いないところだろう(笑)。でも、昼酒はすごく美味いんだよね。俺の経験則からすると、酒が美味い間はまず大丈夫だってことだ。一体何が大丈夫なのかは、自分でもよく分かっちゃいないんだけれど、とにかくそういうことなんだよね(笑)。
トップ画像は、一昨日の光環・波状巻積雲・鈎状巻雲のオンパレードの日の午後、たまたま撮れたカットだ。たまたま俺が望遠をセットして撮影している時に、たまたま波状巻積雲が湧いて出て、たまたまそれに光環が現れて、たまたまその光彩が美しい七色に分散して、たまたまそこへセスナ機が飛んで来て、たまたま露出がドンピシャと合った。人生でも写真でも、出逢いというものは、こんな偶然が重なって成立しているんだと思うよ。「タマタマ」の重なりはぞっとするけれど(笑)、こういう「たまたま」の連続に巡り逢えたことを心からソラの神様に感謝したいと思う。
ゆるゆると、うだうだと過ごす土曜日の、正午のしずけさの中で飲るハイボールって、なんでこんなに美味いんだろう・・・。
「静かな日」
長田弘
目は見ることをたのしむ。
耳は聴くことをたのしむ。
こころは感じることをたのしむ。
どんな形容詞もなしに。
どんな
描かれていない色を見るんだ。
聴こえない音楽を聴くんだ。
語られない言葉を読むんだ。
たのしむとは沈黙に聴きいることだ。
木々のうえの日の光り。
鳥の影。
花のまわりの正午のしずけさ。
出典:長田弘著 『心の中にもっている問題』所収 (晶文社 平成2年/1990年刊)
彼の作品の中でも、特に好きな一篇だ。「花のまわりの正午のしずけさ」・・・。このフレーズを初めて目にした時の衝撃は今でも忘れない。心の底から震えた。この詩が表現している世界観は、スマホのあのちっぽけな画面の中だけが世界だと思っている者たちの感覚とは対極にあるものだ。お時間のある方は、是非一度声に出して読んでみていただきたいと思う。

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