【再掲】 「白山」って世界中にあるんだよ ── 人間の発想って結局同じなんだなって話を書いてみる

画像出典:焼きサバ定食 氏撮影によるこの作品は 写真AC から提供されています。

アルプスの白山「モンブラン」 "Mont Blanc"(フランス - イタリア・標高4,810.9m)
画像出典:「モンブラン」(2019年7月24日 (水) 01:20 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』


ヒマラヤの白山「ダウラギリ」 "Dhaulagiri"(ネパール・標高8,167m)
画像出典:「ダウラギリ」(2018年12月24日 (月) 10:16の版)『ウィキペディア日本語版』

富士山(静岡県/山梨県・標高3,776m)、立山(富山県・標高3,015m)と並んで日本三霊山にその名を連ねる白山(石川県/岐阜県・2,702m)を知らない人はいないだろう。サラリーマンやっていた時代、金沢勤務の長かった俺は、白山の見えるマンションに住んでいたので、一年中その勇姿を仰ぎ見ることができた。登山もやったし、秘境岩間噴泉塔群(国の特別天然記念物)や霞滝(落差70m)の探訪や、
ところで、この「白山」という名称だが、北陸地方でも立山と並んで一際標高の高い山なので、他の山の残雪が消えた後でも「白い山」として一目で同定できる山だったことがその名の由来なんだよね。実はこの「白山」という名称の山岳は、岐阜県と福井県の県境にある能郷白山(標高1,617m)をはじめとして、新潟県(別名で越後白山とも・標高1,012m)、長野県(別名で信濃白山とも・標高1,387m)、熊本県(標高1073m)他、秋田県・山形県・静岡県・兵庫県・山口県・香川県・福岡県・長崎県・鹿児島県など日本全国にある(但し、読みは「はくさん」の他「はくざん」、「しらやま」など様々)。何座あるのか数えたことはないけれど、とにかくたくさんある。おそらく、白山比咩神社を総本社として、全国に白山神社・白山社を2,000社以上有する白山信仰と深い関係があるのではないかと思われる。
さて、その「白い山」だが、実は日本だけじゃなく、世界中のあちこちにあるんだよね。その中でも最も有名なのが、万年筆のブランド名やケーキの名称としても有名な、フランスとイタリアの国境にそびえる名峰「モンブラン」(標高4,810.9m)だ。フランス語で"Mont Blanc"、イタリア語で"Monte Bianco"と表記し、その意味はズバリ「白い山」だ。ヒマラヤ山脈の世界第7位の高峰「ダウラギリ」 /"Dhaulagiri"(ネパール・標高8,167m)もサンスクリット語で「白い山」という意味だ。まだまだある。「マウナ・ケア」/ "Mauna Kea"(アメリカ・ハワイ州・標高4,205m)もハワイ語で「白い山」という意味だし「キリマンジャロ」/"Kilimannjaro"(タンザニア・標高5,895m)もスワヒリ語とチャガ語の合成語で「白い山」という意味なんだよ。
「高くて雪を被っている山ならそう呼ばれるのは当たり前」って?まあ、そのとおりなんだけどさ(笑)。それじゃ、「白山」以外に何と呼べばいいと思う? 俺はその名称云々よりも、今も昔も、国や人種・民族を問わず、雪を頂いた高峰を同じ名称で呼んでいるということに、むしろ何とも言えない感動を覚える。「ああ、人間って感じること、考えることって結局同じなんだな」ってね。
山岳だけじゃない。俺は本来的に滝屋サンなので、滝の名称についても少し語ってみたい。日本には「布引の滝」あるいは「布曳の滝」とか「布滝」という名称の滝が数多くある。おそらく一番多いのは「不動の滝」、「不動滝」あるいは「○○不動滝」といった「不動系」、次が「白滝」、「白糸の滝」のような「白系」といった名称だと思うが「布系」名称も三番手くらいには入ると思う。水の落ちる形状が、布を引いたように見えるというのがその名の由来であることは想像に難くないだろう。いっそのこと「布系」と「白系」をまとめて「布・白系」とする方が妥当かも知れない。英語圏でも、同じような発想で命名された「ブライダル・ベール・フォールズ」(花嫁のベールの滝)/"Bridal Veil Falls"や「リボン・フォールズ」(リボンの滝)/"Ribbon Falls"などという名称の滝が数多くあるんだよね。
唐突だけど、第二次大戦中の各国の戦闘機の話に飛ぶ(笑)。いやいや、ちゃんと話の脈絡はあるんで安心してよ(笑)。旧日本海軍に「三菱 J2M 雷電」という名称の局地戦闘機(現代で言えば「邀撃機」とか「インターセプター」に該当)があった。「雷電」・・・勇ましくて強そうな名称だ。そして同じ時期、アメリカ陸軍にも「リパブリック P-47 サンダーボルト」/"Thunderbolt"という名称の戦闘機があったんだ。これもズバリ「雷電」に他ならない。もう一つ、イタリア空軍にも「MC.202 フォルゴーレ」/"Folgore"という戦闘機があって、これも「雷電」という意味なんだよね。
(筆者注:第二次世界大戦当時、日本とアメリカに空軍は存在せず、航空戦力は陸軍航空隊及び海軍航空隊として運用されていた。またサンダーボルトという名称は、現アメリカ空軍の「フェアチャイルド・リパブリック A-10 サンダーボルト II」"Thunderbolt II"に引き継がれている)
「だから何なんだ?」って言われりゃ「いえ、それだけのことです」としか答えようがないんだけれど・・・。うーん、そうだよ、確かにそれだけのことなんだけど、すごいと思わないかなあ? まあ、いいや(笑)。えーと、全部借り物なんですけど、雪を頂いた神々しい「白山たち」の写真でも眺めながら一杯飲ってくださいな(笑)。三座とも、先鋭なピークを有する天を衝くようなフォルムではなく、どっしりとした山容であることも、決して偶然じゃないような気がするんだよね。あ、そうだよ。この名峰モンブランを模して創作されたケーキであるモンブランを買いに、最寄りのケーキ屋さんか、なければコンビニまで走るのもいいんじゃないのかな(笑)。

フランボワーズ358 氏撮影によるこの作品は 写真AC から提供されています。
山のモンブランも素晴らしいが、こっちのモンブランも負けずに

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