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【再掲】 夜の帳(とばり)は下りてこない、上がってくるのだ ── 地球影の神秘

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さえき奎(けい)
遥かなる影 ── 地球影の神秘「遥かなる影 ── 地球影の神秘」 Canon EOS 5D Mark II, EF 24-105mm F4L IS USM, f8, 1/60sec., ISO400, WB:Daylight
日の出直後のソラは大気光学現象出現のチャンスだ。明け方に目が覚めると、まずソラを確認するのが習慣になってしまっている。冬ともなると夜明け前後の冷気はさすがに厳しく「どうか何も出ていませんように・・・」などと祈りながらソラを見上げたりする。そんなある朝、まだ陽も出ておらずソラのチェックにはまだ早かったのだが、何気なく見上げた西の空低く沈み行く十六夜の月の下にくっきりと地球影とビーナスの帯が見えた。眠気も寒さも二日酔いの頭も何のその、すぐさまカメラを抱えて外へ飛び出した。

 よく「夜のとばりが下りて来る」なんてことを言ったり書いたりするよね。暗くなった空が、帳(とばり・舞台の緞帳)のように地上に降りてきて夜となる・・・詩的で洒落た言い回しだなあとは思う。思うんだけど、実は夜の帳は下りて来ないんだ。上がって来るんだよね(科学的・学術的な定義ではない。あくまでも俺個人の印象としての表現であることをお断りしておきたい)。
 「地球影(ちきゅうえい)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。それは文字どおり「地球の影」なんだけれど、よく晴れて空気の澄んだ日の夕方の西の空や明け方の東の空の地平線近くが青く、その上の方がピンク色のグラデーションになっているのを観ることが出来る。この青い部分が宇宙空間に伸びている「地球の影」(の一部)なんだけれど、はるか向こうの夜空が見えている状態とも言えるんだよね。夕方の場合、その地球影の青い部分が次第に上がって来て最後には空全体が暗くなって夜空となる。明け方の場合はその逆で、地球影が次第に地平線下に沈んで行って空全体が明るくなって朝の空となる。地球影と空の間のピンク色の部分は「ビーナスの帯」「ビーナスベルト」(Vinus Belt)などと呼ばれているんだが、その名に相応しい美しい色合いをしているここをクリックして「地球影が見える仕組み」の説明図へ行く
 日本では晴天が多く空気の澄んでいる冬の早朝や夕方に観られることが多いんだが、運がよければそれ以外の季節でも観ることが出来る。慣れてくれば発見するのはそれほど難しくはないんだけれど、東西の地平線近くまで視界が開けていうことが条件だ(笑)。都会でもマンションの高層階にお住まいの方なら大いにチャンスがあるので、是非観察の機会を狙ってみてほしい。一度観てもらえれば「地球の影」を現実に眺めているという神秘の感に打たれるんじゃないかと思う。
 上掲の画像は、数年前に撮影した11月中旬の明け方の西の空だ。地球影やビーナスの帯は、この後あっという間に地平線下に沈んで行った。地球影の青とビーナスの帯のピンク(西の空なので「朝焼け」ではないからね)をご確認いただけると思う。中央やや右寄りに見える月は、たまたまスーパームーンの翌日(もう日付が変わっているので正確には翌々日になるんだけれど)の十六夜月だ。

遥かなる影(図説)「どこからが地球影でどこからがビーナス・ベルトか?」
夕方であれば地球影とビーナスの帯は次第に上へ上がって来てソラは夜の闇に包まれる。これは明け方に撮影したものなので、逆に地平線下に沈んで行って朝の明るいソラが残る。
本図は解説用の画像です。実際の光景は上掲の画像をご参照ください。


地球影の見える仕組み
「地球影の見える仕組み」
作画:さえき奎
適当な説明図を探してみたが、これといったものが見当たらなかったので、稚拙な出来になることは百も承知で自作してみた。
この画像の著作権は、作画者であるさえき奎に帰属しております。無断転載やダウンロードはご遠慮ください。

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さえき奎(けい)
Posted byさえき奎(けい)

Comments 10

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さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: タイトルなし

ももPAPAさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

> 自然現象の原理に気づいたときって、得も言われぬ快感・喜びを感じるものですね。

はい。それで子供の頃から気象現象や天文現象にはまりこんでしまいました(笑)。

> 水平線のかなたの船が海の向こうに沈むように姿が見えなくなることで地球が丸いということを実感して子供心に感激したのを覚えています。

海岸線に立つ大人の目線で、水平線までの距離がたったの4.5kmしかないと分かった
時も驚きでした(笑)。

> 夜の帳が降りてくる という詩的な表現も味わいがありますが、実際は地球影が上がってきて影がそらを覆っていく とわかればそれもまた自然現象の神秘を味わえて惹かれます。

はい。そういう詩的な表現は表現でかまわないと思います。自然の摂理を知ることの
楽しさとはまた別のものですから、両立・共存出来うるものですね。

> これから、朝 夕刻の地平線付近での大自然の営みを感動を持って味わいたいですね。

これからの季節はチャンスですから、是非観察にチャレンジしてみてください。

2020/10/29 (Thu) 17:47 | EDIT | REPLY |   
ももPAPA  

さえき奎さん こんばんわ♪

自然現象の原理に気づいたときって、得も言われぬ快感・喜びを感じるものですね。

水平線のかなたの船が海の向こうに沈むように姿が見えなくなることで地球が丸いということを実感して子供心に感激したのを覚えています。

夜の帳が降りてくる という詩的な表現も味わいがありますが、実際は地球影が上がってきて影がそらを覆っていく とわかればそれもまた自然現象の神秘を味わえて惹かれます。
これから、朝 夕刻の地平線付近での大自然の営みを感動を持って味わいたいですね。

2020/10/28 (Wed) 21:05 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: 凄いなー!

イオママさん、今晩は。いつもご支援ありがとうございます。

> 何が凄いって..
> 空の知識が豊富なのもそうですが
> 「ここをクリック・・・」から
> ちゃんとソコへとばせるのが凄い‪w

あ、ありがとうございます(笑)。ページ内リンクはそんなに難しいテクじゃないです
から、今度やってみてくださいよ。

> あたしゃには出来ないぜぃ。
> これももしや..とばり?

え? もしかして「とばし」と「とばり」・・・(^_^;。

> (´・ω...:.;::..
> \( ˙-˙ )/パッ
> いつも思うけれど
> 私のコメントは的外れでんなー!
> ごめんよ。

いや~、全然外れてないっしょ。
これからも、この調子でお願いするべさ。

2020/10/28 (Wed) 19:15 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: 綺麗なソラでありますね

がちょーさん、今晩は。いつもご支援ありがとうございます。

> 綺麗なソラですね!
> なんだかプラネタリウムの明け方の空を見ているほどに美しいでありました

それは少し大袈裟ですよ(笑)。でも、うれしいです。ありがとうございます。

> 明け方の空&夕方の日の暮れる空は大好きでもあります。
> そして秋の空気も美味しいですよね☆
> 秋は大好きでもありました

空は明け方と暮れ方が美しいというのは、古今東西共通の真理ですね。写真的にも
一番美しい絵になるのは明け方と暮れ方なんです。

2020/10/28 (Wed) 19:04 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: 朝と夜の狭間、美しい時間帯!

くろすけさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

> 知っちゃったら、何だか「夜の帳が下りて来る」使えなくなりますね。(^-^;

いやあ、いいんじゃないでしょうか(笑)。現象は現象、詩的表現は詩的表現として
あっても矛盾しないと思いますよ。

> 幸い展望がいいので、このグラデーションはしっかり確認できてます。

あの素晴らしい展望なら最高の環境ですね。うらやましいです。

> 「地球影」・・遥か向こうの夜空が見えている。。わかって見るようになったら実に神秘的ですらありますね。「ビーナスの帯」「ビーナスベルト」・・いずれも表現がロマンチックで美しい。

「宇宙空間に伸びている地球の影が見えている」という事実だけでもドキドキして
しまいます。こういう気持ちは幾つになっても失いたくないですね。

> 「地球の光と影」地球はまるごと美しい!
> 地球に生まれてきて良かった!(*^^*)

素晴らしい! 地球環境年のスローガンにでも使えそうですね。

2020/10/28 (Wed) 18:56 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: そうそう、月が夜を引っ張ってくる感じ。

オグリン♪さん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

> そうそう、月が夜を引っ張ってくる感じ。
> 夜はあるんじゃなくて来るんですよね。
> 夜の幕が上がるんです。

いいですね。「月が夜を引っ張ってくる」というイメージ。ぴったりです。さすがは
この上なく月を愛でる人ですね。

> 秋の季語、月の傍題。
> 月代と言う季語があるんだけども、月が現れる瞬間、地平線が少し仄明るくなる状態をいいますが、一瞬輝いて後ろから夜を連れてくるんですよ。

なるほど。この場合は「つきしろ」と読むんですね。日の出の太陽の「曙光」に相当する
現象でしょうか。

> 夜は、上がって来るんですよ。

俳句の世界と見解が一致してとてもうれしいです。

2020/10/28 (Wed) 18:40 | EDIT | REPLY |   
イオママ  
凄いなー!

おはようございます。

何が凄いって..
空の知識が豊富なのもそうですが
「ここをクリック・・・」から
ちゃんとソコへとばせるのが凄い‪w

あたしゃには出来ないぜぃ。
これももしや..とばり?

(´・ω...:.;::..

\( ˙-˙ )/パッ

いつも思うけれど
私のコメントは的外れでんなー!
ごめんよ。

2020/10/28 (Wed) 09:40 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
綺麗なソラでありますね

綺麗なソラですね!
なんだかプラネタリウムの明け方の空を見ているほどに美しいでありました

明け方の空&夕方の日の暮れる空は大好きでもあります。
そして秋の空気も美味しいですよね☆
秋は大好きでもありました



2020/10/28 (Wed) 07:43 | EDIT | REPLY |   
まっ黒くろすけ  
朝と夜の狭間、美しい時間帯!

知っちゃったら、何だか「夜の帳が下りて来る」使えなくなりますね。(^-^;
幸い展望がいいので、このグラデーションはしっかり確認できてます。
「地球影」・・遥か向こうの夜空が見えている。。わかって見るようになったら実に神秘的ですらありますね。「ビーナスの帯」「ビーナスベルト」・・いずれも表現がロマンチックで美しい。

「地球の光と影」地球はまるごと美しい!
地球に生まれてきて良かった!(*^^*)

2020/10/28 (Wed) 07:19 | EDIT | REPLY |   
オグリン♪  
そうそう、月が夜を引っ張ってくる感じ。

夜はあるんじゃなくて来るんですよね。

夜の幕が上がるんです。

秋の季語、月の傍題。

月代と言う季語があるんだけども、月が現れる瞬間、地平線が少し仄明るくなる状態をいいますが、一瞬輝いて後ろから夜を連れてくるんですよ。

夜は、上がって来るんですよ。

2020/10/28 (Wed) 01:02 | EDIT | REPLY |   

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