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Alone / 独りぼっち [くすんだ灰色の世界の至高の頂きに独り立つ ── サラ・ティーズデールの詩を訳してみる 第10回]

6 Comments
さえき奎(けい)
Alone"Alone" Canon EOS 5Ds R, EF24-105mm F4L II IS USM, f16, 1/125sec., ISO400, WB:Daylight
 今宵はまたサラ・ティーズデールの詩をご紹介してみたいと思う。「孤独」は彼女の名刺代わりみたいなモチーフだ。以前ご紹介した中にもずばり"The Solitary"「孤独」という作品がある(参照:The Solitary / 孤独 [花が花であるように、石が石であるように、私は私だ ── サラ・ティーズデールの詩を訳してみる 第2回])。いつも書いていることだが、同じように死や孤独を描いてはいても、クリスティーナ・ロセッティと決定的に違うのは、サラがそこに安寧を見出していないということだ。ただ、それが彼女の本心であるのかどうかは俺にはわからない。

"Alone"

Sara Teasdale

I am alone, in spite of love,
In spite of all I take and give—
In spite of all your tenderness,
Sometimes I am not glad to live.

I am alone, as though I stood
On the highest peak of the tired gray world,
About me only swirling snow,
Above me, endless space unfurled;

With earth hidden and heaven hidden,
And only my own spirit's pride
To keep me from the peace of those
Who are not lonely, having died.




「独りぼっち」

サラ・ティーズデール

私は独りだ
愛があろうとも、望むもの全てを与えられようとも、
あなたの優しさがあろうとも、
人生に喜びを見出せないことがある

私は独りだ
周りがひたすら吹雪く中、無限に広がるくうを仰いで
くすんだ灰色の世界に屹然として聳える
至高の頂きの上に立ちすくんでいる

最早地も見えず、天も見えず
自分の魂の誇りだけを抱き続ける
孤独を知らぬ者や逝ける者たちが得る心の安らぎは
私とは永劫無縁のものだ



(さえき奎 訳)



 この記事を書いていて、唐突に小澤一惠さんの歌を思い出した。



地上に全く一人となりたるごと歩む梅咲く岸辺に霧わきてきて



出典:小澤一惠 「霧のささめき」より 『歌集 野火』所収(平成2年/1990年 沖積社刊)


  第9回へ戻る:Let It be Forgotten / 忘れてしまいましょう [時は人を老境へと誘う心優しき友なのです ── サラ・ティーズデールの詩を訳してみる 第9回]  


  次回へ続く : 掲載時期未定  



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さえき奎(けい)
Posted byさえき奎(けい)

Comments 6

There are no comments yet.
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: "Alone" 

花おばさん、こんにちは。いつもご支援ありがとうございます。
その後のお加減はいかがですか?

> 孤独と孤立、独りぼっち。 感じ方は、千差万別。
> さえき様ならではの感性が、ここにありますね。

というか、表現の幅が狭いので、こういうふうにしか翻訳出来ないんです(笑)。

> おばさんは、どちらかというと、孤高の人を目指しておりますが、
> 家族とともに暮らしていても、やはり、自分という存在は、独りなんだと感じることが多々あります。
> 決して孤立ではないけれど、

私も常々そうあろうと考えています。孤立はやろうと思えば出来ますが、孤高は
本当に難しいです。そして孤独というのは、誰かと一緒にいるからそうじゃない
とか、そういう単純な問題ではないんですよね。

> <地上に全く一人となりたるごと歩む梅咲く岸辺に霧わきてきて>
>
> どちらかというと、こちらの心境に近い気がいたします。孤独の時間、ひとりになる時間、見つめ直す時間。

同じ孤独を詠んでいても、背景描写、心理描写の違いに驚かされますね。

> 本日も、よいものを拝見させていただき、ありがとうございます。

とんでもない。こちらこそありがとうございます。

> また、独自の翻訳再開したので、この分野の作品も、自分なりに、訳してみたいものです。

それは楽しみですね。是非チャレンジして、ご披露ください。

2020/09/28 (Mon) 18:40 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: 夏のおわり

がちょーさん、こんにちは。いつもご支援ありがとうございます。

> さえきさまは詩人でもありました!
> 詩集も堪能しましたね

とんでもない。これは人の詩を訳しただけですから(笑)。

> 「黄昏」
> まさにです。
> これからの秋晴れの夕方はセンチメンタルにもなりますよね

はい。ただでさえ鬱陶しい季節なのに、黄昏時はメランコリックな気分が一気に
高まります(笑)。

> お写真と詩集でのどごし生を呑んで秋の味を噛み締めておりましたよ(笑)

そうですね。私も飲めば少しは気分が和らぎます(笑)。

2020/09/28 (Mon) 17:50 | EDIT | REPLY |   
さえき奎(けい)
さえき奎(けい)  
Re: 孤独と孤立とは違う。

オグリン♪さん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

> 誰でもが孤独を感じる、その大きさは人それぞれではと思う。
> サラの孤独は普通の人も感じる孤独であり、孤高とも違うような気がする、自死だとしても。
> ゆえに、私はとても共感するんだなぁ。

そうですね、サラの孤独感や死生観は、時には乙女チックに、時には虚勢的にも聞こえ
たりして、クリスティーナのように崇高さとかストイックなものを感じさせないですね。

> そもそも人間は孤独なんだよネ~、で、それを認めることが大切、それが己を知る第一歩。
> でも、なかなか難しいのであります。

それが誰にとっても、人生における最大の課題なんじゃないでしょうか。見て見ぬふりを
していてはいけないんでしょうが、本当に難しいです。

2020/09/28 (Mon) 17:46 | EDIT | REPLY |   
花おばさん  
"Alone" 

さえき様、こんにちは。

孤独と孤立、独りぼっち。 感じ方は、千差万別。

さえき様ならではの感性が、ここにありますね。

おばさんは、どちらかというと、孤高の人を目指しておりますが、

家族とともに暮らしていても、やはり、自分という存在は、独りなんだと感じることが多々あります。

決して孤立ではないけれど、

<地上に全く一人となりたるごと歩む梅咲く岸辺に霧わきてきて>

どちらかというと、こちらの心境に近い気がいたします。孤独の時間、ひとりになる時間、見つめ直す時間。

本日も、よいものを拝見させていただき、ありがとうございます。

また、独自の翻訳再開したので、この分野の作品も、自分なりに、訳してみたいものです。

あぁ、さえき様のような感性、磨かなければ・・・。^^;

2020/09/28 (Mon) 10:58 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
夏のおわり

おはようございますさえきさま。

さえきさまは詩人でもありました!
詩集も堪能しましたね

「黄昏」

まさにです。
これからの秋晴れの夕方はセンチメンタルにもなりますよね

お写真と詩集でのどごし生を呑んで秋の味を噛み締めておりましたよ(笑)

ご支援もありがとう御座います。



2020/09/28 (Mon) 07:52 | EDIT | REPLY |   
オグリン♪  
孤独と孤立とは違う。

誰でもが孤独を感じる、その大きさは人それぞれではと思う。

サラの孤独は普通の人も感じる孤独であり、孤高とも違うような気がする、自死だとしても。

ゆえに、私はとても共感するんだなぁ。

そもそも人間は孤独なんだよネ~、で、それを認めることが大切、それが己を知る第一歩。

でも、なかなか難しいのであります。

2020/09/28 (Mon) 01:01 | EDIT | REPLY |   

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