何故俺が演劇の道を断念したのか [後編] ── そもそもあんたって誰なのよ?(ロング・インタビュー その11)

特別定額給付金が給付されたという連絡が来ないので、ちょっと口座を調べてみたら21日に振り込まれていた(笑)。メールアドレスを入力する欄があったので、てっきり連絡があるものと勘違いしていたよ(笑)。オンライン申請したのが14日だからちょうど一週間で振り込まれたことになる。経済活性化のために、絶対に絶対に特ア三国にビタ一文足りとも回らないような使い道を熟考の上、ありがたく使わせていただきたいと思う。
たき:さて、さっさと昨日の続きにまいりましょう(笑)。
さわ:そうだ、そうだ。議事進行(笑)!
奎:うるせえな(笑)。ちょっとウンチクしただけじゃねえか(笑)。
たき:読者の皆様方は、貴重な時間を割いてお越しいただいている訳ですから、与太話へ持って行くのは出来るだけ避けてくださいね(笑)。
さわ:そうだ、そうだ。脱線するな(笑)!
奎:何だよ、与太話がこのブログのメインじゃないのかよ(笑)。
たき:では、その「名優」サンのその後はどうなったんですか?
奎:おお、そうだな。その「名優」サンは、小6の時にも民話をベースにした「長者と泥棒」という芝居でまたまた主役を演ったんだよ(笑)。これまた好評を得て、隣街の小学校の学芸会にゲストとして招かれて再公演したんだからさ(笑)。その学校の先生に「上手だね。何か演劇関係のことやってるの?」なんて聞かれたほどだったんだよ(笑)。
さわ:それって、単にH先生の功績じゃないんですか(笑)?
奎:うーん、そういう見方もあるな(笑)。でもさ、これに大いに気をよくした中学生になった俺は、文化祭のクラスの演しものとしてマルシャークの『森は生きている』を演ろうと画策したんだよ(笑)。
たき:あの『森は生きている』ですか。私、劇団仲間の公演で観たことありますけど、ちょっと無謀じゃないですか(笑)?
奎:お、観てたか? この芝居は劇団仲間の十八番だよな。俺も何度も観たよ。そもそもこの作品を知ったのは、小学校の時校内映画鑑賞会で観たソ連(現ロシア)の児童映画だったんだけど、これにすっかり填まっちゃってさ、いつかは自分たちで演ってみたいと思っていたんだよ。で、先生に相談したら大いに賛成してくれて、まずは脚本を書いてみろということになった。『ヴェニスの商人』で共演したK子ちゃんがたまたま同じクラスだったので、ヒロインのアーニャ役を演ってもらうことにして、彼女に相談しながら脚本を書いてみることにしたんだよ。
さわ:しーちゃんじゃないんですか?
奎:あのさ、これって中学生時代の話なのよ(笑)。
たき:でも、この作品も幕や場がかなり多い長いお芝居ですよね?
奎:そうなんだよ(笑)。問題は、何幕何場もある2時間くらいの芝居をどうやって1クラス当たりの割り当て時間である30分の枠内に収めるかということだった(笑)。何せヒロインの他にメインキャストが6名、それに十二月(つき)の月の精だけで12名必要だしさ(笑)。
さわ:それで挫折したと・・・。
奎:まだ挫折してねえよ(笑)。ストーリーを削りに削りまくって、ラストの「冬の森にマツユキソウを探しに行く」クライマックスシーンを演ることにしたんだ(笑)。これなら月の精も数人出しときゃいいし、俺が長老格の十二月の精役を演れば見事に決まってるじゃないか(笑)。
たき:で、どうなったんですか?
奎:脚色は最初から大難航だったよ(笑)。書き始めてすぐに中学生の手に負えるような代物じゃないって気がついた(笑)。小学校時代に演った『ヴェニスの商人』と同じような方向へ持って行こうとしたんだけどね。あの省略は小学生だから許されたし、H先生という希代のプロデューサー兼演出家の存在が大きかったというか全てだったが、今回は自力オンリーだからさ。ファンタジー的要素もふんだんにあるし、大道具・小道具やセットからにしてあまりにもハードルが高すぎる芝居だった(笑)。
さわ:いよいよですね(笑)。
奎:うれしそうに言うなって(笑)。で、タイミング的に取り返しがつかなくなる前に先生にギブアップを申し出たんだよ。断腸の思いだった。
たき:それで、先生やクラスメートの反応は・・・?
奎:先生は「そうか・・・」と言っただけだった。先生にもクラスメートにもひたすら申し訳なかったな。自分史の中で大挫折第1号の経験かも知れん(笑)。で、文化祭当日、俺は、というか俺達のクラスは舞台の上で空しく「故郷の人々」を歌っていたんだよ(笑)。今でもこの歌を聞くと、切なくて切なくて絶望的な気持ちになるんだ。「死んじまえ!」って自分に叫びたくなるんだよね。本当に死んじまいたい気分だった・・・。
さわ:えーと、奎さん・・・困ったな。えーと、えーと、最後のシーンに出て来るという「マツユキソウ」ってどんな花なんですか?
奎:え、マツユキソウか・・・。マツユキソウは、この芝居のキーワード的アイテムになっているんだよね。普通「スノードロップ」とも呼ばれているんだけど、これも正確にいえば間違いで、スノードロップはヒガンバナ科ガランサス属(スノードロップ属・マツユキソウ属ともいう)の花の総称で本当のマツユキソウはそのガランサス属の植物の中でも、英語でコモン・スノードロップ(Common Snowdrop)という種類の花の和名なんだよね。そもそもスノードロップならユキフリソウ(雪降草)かユキヒラソウ(雪片草)と訳した方がより相応しいんじゃないだろうか・・・。(筆者注:「スノードロップ」とは同種異属のスズランに似た花をつける「スノーフレーク」という花もあるので「ユキヒラソウ(雪片草)」はそちらの方がより相応しいかも知れない)

「待雪草(マツユキソウ)」 Ann999-DESK さん撮影によるこの画像は 写真ACから提供されています。
たき・さわ:わあ、きれいな花ですね。下を向いて咲くから「スノードロップ」なんですね。
奎:実はさ、この芝居の中の「マツユキソウ」は「パトスネジーニク」という花のロシア語の誤訳で、本当はどうも「ユキワリソウ」(正式和名はキンポウゲ科ミスミソウ属の「ミスミソウ」)のことらしいんだよ(笑)。最初の誤訳が市民権を得て一人歩きを始めるというケースはけっこう多いんだよね。例えば英語の「オーク」"Oak"は「樫」と誤訳されて以来それが定着して、今でも大手を振ってまかり通っているんだけど、本当は「

「ユキワリソウ」の異名で呼ばれることの方が多いこの花は正式和名を「ミスミソウ」というキンポウゲ科ミスミソウ属の花だ。サクラソウ科サクラソウ属の「ユキワリソウ」とは別種だが、この作品に登場するロシア語の「パトスネジーニク」は、その茎の特徴や葉の形状から「ミスミソウ」を指すものと考えられる。
たき:それで本題に戻りますが、ということは、結局断念したのは中学時代なんですね(笑)?
奎:えーと、まあ、そういうことになるかな(笑)。高校生になったらそんな情熱はすっかり冷めてしまっていたよ(笑)。文化祭のクラスの演し物でオリジナル演劇を演ろうということに決まった時なんか、中学生の頃の俺だったら率先してスタッフに参加してやいのやいのとやったんだろうが、カンペキに情熱を失っていたから「ふーん、やったら・・・」なんて感じで全く関心がなかったんだよね(笑)。というか、頭の中は100%しーちゃんと遊ぶことばかり考えていたので、それどころじゃなかったんだよ(笑)。
さわ:なあんだ、結局中学校で既に挫折していたんじゃないですか。挫折というより放棄ですね。敵前逃亡の方がいいかな(笑)。
奎:あのね、高校の時だって学校で青年劇場の出張公演があって『十二夜』と『真夏の夜の夢』を観劇して大いに触発されたりしたんだよ。特に『十二夜』で、ヒロインのヴァイオラ(シザーリオ)を演った女優さんがめっちゃ美人でボーッとなっちまった。舞台なんかそっちのけで、しーちゃんに気づかれないように流し目でその女優さんばっかり見ていたよ(笑)。そんなんで、今でも芝居を観るのは大好きだし「劇団、本谷有希子」の公演なんかは必ず観劇しているんだよ。さて、それじゃあ恒例の打ち上げ飲み会と行こうか?
さわ:どうせまた缶ビールとサキイカでしょ?
奎:チッチッチッ(人差し指を横に振る)。俺はレタスをたっぷり使った特製「ホットサバサンド」と「ホットハムサンド」を作って来たし「セグラビューダス」が冷蔵庫に3本冷えているよ。それともうすぐ宅配ピザが届くからさ。
たき:私は、イオママさんから教えてもらった「タマネギのお漬け物」と「とろとろじゅわじゅわチャーシュー」を持って来たからね。
さわ:わーい、それならいいです。でも、私だけ何も持って来ていないんですけど・・・。
奎:いいんだよ。もうすぐ届く宅配ピザの代金払ってくれたらそれでノープロブレムだから(笑)。
さわ:え~そんな・・・(笑)。
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