Tレックスあるいはファルコン vs. ネズミーランドのヒーロー
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さえき奎(けい)

並んで夕景に浮かび上がったTレックス(左側の右向き)あるいはファルコン(左側の左向き)とネズミーランドのヒーロー(右側)
ある時夕陽を撮影していたら、何やら雲の形があの高名なファンタジー・キャラクターが左向きに並んでいる姿に見えてきたので急いでシャッターを切りました。一つは明らかにあの有名なネズミーランドのヒーローでご丁寧に尻尾まであります(笑)。もう一方は、ミヒャエル・エンデの名作を映画化した『ネバーエンディング・ストーリー』(原作の邦題は『はてしない物語』)に登場する竜、ファルコンにそっくりでした。この写真を送った友人が小学生の娘さんに見せたところ「ファルコンというよりミッキーに襲いかかろうとしているTレックス(ティラノサウルス)に見える」と言ってたそうです。「なるほどディズニーはユニバーサルのライバルだから襲いかかって当然だわな」と一人納得したのでした(笑)。当世の小学生って実に上手いこと言いますね。さて皆様にはどう見えますでしょうか。
ところで映画『ネバーエンディング・ストーリー』は、製作に際して原作者ミヒャエル・エンデとの間にいろいろと確執があったことはよく知られています。その一つがこのファルコンで、映画では毛のふさふさした犬と竜のキメラみたいな訳わからん妖怪みたいにデザインされていますが、原作では中国由来の竜の姿をしており名前も「フッフール」という別名になっていました。エンデは映画化に際して中国由来の竜にするように条件をつけたのですが(そうするとバスチアンが乗ってる姿は『竜の子太郎』みたいな感じになったはずですね)、出来上がった映画ではそれが無視されてあのような姿になっていました。他にも原作とは全く異なる「ラストで主人公がいじめっ子に仕返しするシーン」(これがエンデの逆鱗に触れたと言われています)などいろいろあって、エンデは製作者サイドを提訴するのですが結局敗訴に終わっています。結果、映画のクレジットから原作者ミヒャエル・エンデの名前は抹消されてしまいました。
改めて写真をよくよく見れば、このシルエットは我々のよく知っている竜の方に見えないこともないです(笑)。


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