快晴の一日、ソラ屋はとことん暇である

この巻雲は飛行機雲のなれの果てだ。画面全体は薄い巻層雲に覆われていて、微かに22度ハロ(内暈)と光環(オーレオール)も認められる。
朝からうららかな天気。それも快晴。しかも終日。となるとソラの写真屋サンは開店休業状態となる(笑)。やることといえば20分おきのソラのチェックくらいしかない。こういう時にこそ積ん読山脈の本の整理でもやりゃあいいんだろうが、端からそんなことは選択肢にない(笑)。今回の三連休の間に昔の写友たちで「久しぶりに一杯飲ろうぜ」という話があったんだけど、諸般の事情により「今回はちょっと見合わせておこうか」ということになった。集まるとなれば東京ということになるだろうから、まあやむを得ないだろうな。
ということは、やることはあれしかない。まあ、そうでなくてもやるんだけどさ(笑)。昨日ところどころ思い出せなかった「木遣りくずし」の音源を聴きながらちびちびと飲り始める。うーん、いいよね「木遣りくずし」。この江戸端唄を教えてくれた姐さんの店はとっくに店仕舞してるんだけど、懐かしいなあ。あの頃に戻りたい・・・。いや、子供の頃あたりから人生をやり直したいんだよね(笑)。
あ、いけねえ。こんな湿っぽい話を書くつもりじゃなかったんだよ。えーと、何だっけ? そうそう、今日2月23日は「富士山の日」なんだよね。知ってた? どうして2月23日なのかは、俺にでもすぐにわかったよ(笑)。で、次の美しい富士の写真を見てほしい。


画像上:雪化粧の後方羊蹄山(蝦夷富士)
出典:中村昌寛 氏撮影によるこの作品は 写真AC から提供されています。
画像下:ダイヤモンド蝦夷富士
出典:ひろPON 氏撮影によるこの作品は 写真AC から提供されています。
実は、この山は「富士は日本一の山」と歌われるあの富士山ではない。俺の故郷北海道の「蝦夷富士」とも呼ばれる「羊蹄山」(ようていざん)の勇姿だ。
そこの姐さん、兄さんたち。「何だよ。また毎度のお国自慢かよ」なんてことを言わずに聞いてほしいんだよ(笑)。北は阿寒富士(北海道)、利尻富士(利尻山・北海道)、津軽富士(岩木山・青森県)、出羽富士(鳥海山・秋田県/山形県)から南は伯耆富士(大山・鳥取県)、讃岐富士(飯野山・香川県)、薩摩富士(開聞岳・鹿児島県)、本部富士(沖縄県)に至るまで日本全国に「○○富士」などと呼ばれる「おらが郷里の富士」が300座以上あるんだよね(海外にも40座くらいあるそうだ)。おそらく姐さん、兄さんの故郷にも一つや二つはあるんじゃないかと思う。その富士が見えるところには「富士見町」なんて地名がついていたりするのも定番だしね。しかしだよ。その○○富士は、大体が「ある一方向から見た時だけ似ている」とか「まあ、似ているといえばいえないこともない」なんてレベルのものばかりなんだよ。そうだよね(笑)?
そこへいくと、我が蝦夷富士「羊蹄山」は違う。黙ってこの写真を見せられたら絶対に富士山だと思うんじゃないかな? しかも、独立峰でぐるり360度どの方向から見ても富士山そっくりなんだよ。だから、この山だけは「あやかり富士」とか「なんちゃって富士」なんてことは誰にも言わせないんだよね(笑)。まあ、標高が1898mと本家の半分程度なのはご愛敬なんだけどさ(笑)。実は、同じ北海道内でも俺の生まれ故郷である道東釧路の富士といえば「阿寒富士」のことなんだよね。この山も素晴らしくよく似ているんだけど、羊蹄山より標高がちと低いので今回はそっちに譲ることにしたんだよ(笑)。
学校で、こういう裾野を引く円錐形の火山のことを「コニーデ式火山」なんて習った人もいると思うんだけど、今はそういう呼び方はしない。何十万年という寿命を持つ火山の、ある一時期の形だけをとらえて「コニーデ」とか「トロイデ」などと分類するのは、学術的にも意味のないことだからね。だから、今は単に「成層火山」などと呼んでいる。また、この蝦夷富士は、麓の倶知安町が「羊蹄山」(ようていざん)と呼ぶように名称変更を申し立てて、それが認められたために現在の名称になったんだけど、本来は「後方羊蹄山」(しりべしやま)というのが正しい名称なんだよね。正確に読みを分解すると「後方(しりへ)」+「羊蹄(し)」+「山」となる。また、アイヌ語では「マッカリヌプリ」(後方に対をなす山)もしくは「マチネシリ」(雌山)と呼ばれているんだよ。
はい。酔いもほどよく回って参りました(笑)。今宵のお国自慢は、これにて幕引きとさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

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