FC2ブログ

家にあるものでやるお金のかからない日食撮影

2 Comments
さえき奎
ブラインドにあるピンホールもどきで投影した部分日食
「ブラインドにあるピンホールもどきで投影した部分日食」 (①②③④とも)Canon EOS 5Ds R, EF24-105mm F4L II IS USM, f8, 1/125sec., ISO800, WB:Daylight
① 2019年1月6日午前9時30分:ブラインドのスラッタ孔からもれた光を投影
② 同 午前9時44分:同上
③ 同 午前10時07分:同上 (最大食分0.43の頃で面積比で30%近く欠けている)
④ 同 午前10時20分:厚紙に空けたピンホールから投影

 2012年5月21日に主に太平洋岸で見られた金環日食は素晴らしかったですね。ちょうど出勤のためにバタバタしながら、また通勤途中の電車の中から空を見上げた方もおられるんではないでしょうか。私はまだ家で仕事をするようになる前で、その日は会議もあったのですが露骨に嫌な顔をする上司も何のその、躊躇することなく有休を取りました(笑)。
 今年も1月6日に北日本を中心としてそこそこ欠ける部分日食があったのですが、ご覧になった方はおられますか。私はいざ日食が始まるという段になって、7年前の金環日食の時に買った日食グラス(メガネ式のやつもシート・タイプのやつも)がどこを探しても見当たらず、大いに焦りました。大気光学現象の撮影では「パッと覗いてファインダーの中のハロや太陽の位置を記憶し、目を外してから勘でフレーミングの微調整をしてレリーズする」などというアホなテクで撮影したりしていますが、さすがに日食グラスなしで太陽を凝視しようとは思いません。黒い下敷き、CD、すすをつけたガラス板、サングラスなどは赤外線をバンバン通しますので非情に危険です。他に代わりになるものもないので(古い本には「水を張ったたらいに太陽を映して観察すれば眼を痛めない」なんてことが書いてあったりしますがそのたらいもないので)2012年の金環日食の時に気がついたある方法でやってみることにしました。
 それは、窓に取り付けられたブラインドのスラット(羽根)一枚一枚の左右に空けられたコード(紐)を通すための穴が(正しくは「スラット孔」というらしいです)ピンホールの働きをするのでそれをピンホールカメラとして利用してやろうというアイデアです。穴自体は幅2mm×10mmほどの細長いスリット状になっているんですが、上手い具合に真ん中にコードが通っているので上下に分割されてちゃんとピンホールになります。「自分で厚紙使ってピンホール作ればいいじゃないか」ですって?それもやりましたが、普通に家にあるのものがピンホールカメラになるという面白さ、これですよ、これ(笑)。
 まあ、本格的な日食撮影するには超望遠レンズ、それも800mmくらいはほしいところですが、手持ちの中では望遠ズームのテレ側が200mmでテレコンバーターを併用しても400mmがMAXです。500mmのレフレックス・レンズも持っていますがマニュアル・フォーカスのサードパーティ製品で、そもそもこの程度の望遠ではドングリの背比べなんですね。ある焦点距離のレンズを使った時「撮影した画像にどのくらいの大きさで太陽が写るか」については大変単純明快な式があります。

レンズの焦点距離(mm)÷100=撮像センサー(またはフィルム)に写る太陽の大きさ(mm)


つまり、200mmのレンズではたったの2mm400mmでも4mmの大きさにしか写りません。私の愛機EOS 5Ds Rはフルサイズセンサー(35mmフィルムと同じ24×36mm)ですから400mm超望遠レンズでも画面高さ方向の1/6にしかならないのです。APS-Cやフォーサーズサイズのセンサーなら相対的にもう少し大きく見えはしますが、標準ズームやコンデジで夕陽を撮っても驚くほどちっぽけにしか写らない理由をおわかりいただけますでしょうか。ここは画面高さ方向の1/2とまでは行かなくてもせめて1/3程度の大きさに写ってほしいところですが、そうすると最低でも800mmということになるわけです。ここらあたりのレンズになると値段が一桁違ってきて「車が1台買える」レベルに入ってきます(笑)。その前に必須アイテムである減光フィルターすら持っていませんし(日食撮影にはND100000の、つまり光量を10万分の1にする減光フィルターが必要です)、そもそも私にはこれ以上先立つものがありません(笑)。
 ということでこのテク(といっていいのかどうかわかりませんが)は必然の成り行きの結果というわけですが、その結果が上掲の写真です(4葉を組み合わせました)。お断りしておきますが、ピンホールを通った光を直接センサーに結像させて撮影したわけではありません。あくまでもそれを紙に投影した映像を撮影したものです。ピンホールが大きいので輪郭がぼけてしまっているのはご愛敬です。まあ、きちんとした日食撮影をしている方からみればとんだお笑いだと思いますが、ご笑覧いただければ幸いです(笑)。 
 ちなみに森や公園の木陰でみかける木もれ日も立派なピンホールになります。この日の日食は太陽高度が低かったのでちょっと難しかったと思いますが、運がよければ無数の三日月形の木もれ日が揺らめいているという幻想的な光景を見ることができます(上掲④の三日月形をもっと大きく重なり合うようにした感じです)。また最近は「皆既日食」「金環日食」「部分日食」という呼称が一般的なようですが、私は昔から「皆既食」「金環食」「部分食」の方になじんで来たのでいちいち「ナントカ日食」とやることにはちょっと違和感があります。

20350902皆既食帯
「2035年9月2日皆既日食帯」(出典:日食ナビ
 さて日食の花形といえば、何と言っても太陽が月によって完全に隠されコロナダイヤモンドリングが見られる皆既日食です(皆既日食と比較したら金環日食も「少しましな部分日食」にしか思えないです)。次に日本で皆既日食があるのは2035年9月2日の午前中で、石川県能登地方、富山県東部地方、新潟県上越・中越地方、長野県北部地方と北関東の群馬・栃木・茨城3県のほぼ全域、埼玉県北部地方、千葉県北部地方を中心した地域で見ることができます。上掲の日食図をご参照ください。青線と青線の間が皆既食帯(皆既日食が見られる範囲)で赤線が中心食(赤線上にある地点では皆既継続時間、つまり太陽が月によって完全に隠されコロナが見えている時間、が最大になりますが、この皆既日食では2分少々といったところです)になるところです。また、皆既食帯から外れていてもその周辺では大きく欠ける部分日食が見られます。さてあなたがお住まいのところは皆既食帯に入っていますでしょうか。私のところは南限ぎりぎりに入っていますので是非見たいものです。

ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト
さえき奎
Posted byさえき奎

Comments 2

There are no comments yet.
さえき奎
さえき奎  
Re: 日食は溶接の面で。

がちょーさん、こんばんは。

> 溶接の面とか車のスモークガラスでも観察ができましたよ!
> 私は主にスモークガラスでいつも見ておりましたね^^

溶接のお面は紫外線を完璧にシャットアウトするみたいですね。
2012年の金環日食の時、小さな女の子二人がこれをつけて観察している写真が有名になりました。
入手したくても値段がかなり高そうですね(笑)。
車のスモークガラスは赤外線的にはかなり危険ですよ。

2019/05/19 (Sun) 20:37 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
日食は溶接の面で。

いろんな方法で日食を観察できましたよね。
溶接の面とか車のスモークガラスでも観察ができましたよ!
私は主にスモークガラスでいつも見ておりましたね^^

2019/05/19 (Sun) 19:46 | EDIT | REPLY |   

コメントをどうぞ / Leave a reply