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The Days Swiftly Flow, The Years Swiftly Fly

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さえき奎
過ぎに過ぐるもの、雲間行く飛行機
「過ぎに過ぐるもの、雲間行く飛行機」 Canon EOS 5D Mark II, EF 24-105mm F4L IS USM, f8, 1/500sec., ISO100, WB:Daylight
ただ過ぎに過ぐるもの。
帆かけたる舟。
人の齢 (よわい)。
春、夏、秋、冬。

清少納言 『枕草子』 第二百四十五段

 『枕草子』の中でも大変有名で人気のある第245段です(ただし第242段や第260段とする注釈書もあります。元々『枕草子』の原本には章段や区切りはなく、近現代に書かれた注釈書の著者によって様々な解釈がなされているためです)。読む度に「あー、ほんとにそうなんだよな・・・」と切なさがこみ上げてきて酒でも飲みたくなります。明るいうちから酒飲みたい時はこのフレーズのせいにして始めたりしています(笑)。
 「『帆かけたる舟』ってそんなに速いか」と突っ込みを入れたくなる向きもあるかと思います。確かに大航海時代の帆船ですらその速度はせいぜいチャリ程度だったそうですから、間近で見ているならともかく遠目には決して速くはなかったと思います。まあ、陸の乗り物が牛車の時代の話ですから、そのあたりはどうかご容赦を(笑)。牛というなら馬はどうでしょうか。すでに奈良時代には兵部省(現在の防衛省に相当)に馬寮が設けられていたとの記録がありますので、平安時代の清少納言が馬を知らなかったということはないと思いますが、武士の台頭に伴い馬が大活躍する時代は少々先のことになります。都住まいの彼女にはまだ馴染みが薄く、馬が疾走するシーンなど見たことがなかったのかも知れないですね。
 もし清少納言が現代に生きていれば、「帆かけたる舟」に替えて「雲間行く飛行機」とか「野辺駆け抜ける新幹線」とでも書いたんじゃないでしょうか。人の齢(よわい)春夏秋冬という時の移ろいに思うところも素直に頷けるところです。彼女が生きていた千年前に較べると現代の日本人の平均寿命は飛躍的に伸びていますが、始原から現在に至る悠久の時の流れからみれば、そんなものはあって無きに等しい変化なんでしょう。切ないですね。それにしても清少納言と現代人の感性って少しも変わるところがないんだなあとつくづく感じました。
 さて、これは出典が「枕草子」そのものからなので改めて橋本治先生の「桃尻語訳 枕草子」を開いてみると、この段は桃尻語訳の掲出だけでさらっとやり過ごしているんですね。先生の楽しい註釈を読んでみたかったんですが残念です。

[橋本治 桃尻語訳]

どんどん過ぎてくもの ───
帆を上げた舟。
人の年齢。
春、夏、秋、冬。

 大胆不敵にもしれっと拙訳を添えてみたりします(笑)。自分では桃尻語風訳だとずっと思っていましたが、今こうして並べてみると全然違いますね。今後は似非ギャル語訳と称することにさせていただきます。橋本先生、ごめんなさい。

[拙訳(似非ギャル語的超意訳でございます)]

あっという間に過ぎて行くものってなんだろ
お空を行く飛行機でしょ
それに人の歳と
春、夏、秋、冬かしら


 写真は波状巻積雲。波状雲は巻積雲(うろこ雲)でよく見られる形態の一つです。巻積雲は、巻雲(すじ雲)や巻層雲(うす雲)と同じく氷晶からできていて美しい雲ですが、高積雲(ひつじ雲)などと違って空一杯に広がって見えることはまずありません。写真はかなりきれいな波状雲になっていますが、刻々と形が変わりあっという間に消散しまうことが多いのもこの雲の特徴です。左上に見える小さな飛行機は、後から私が書き足したりしたものではありません。紛れもない本物の飛行機ですのでよろしくお願いします(笑)。

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さえき奎
Posted byさえき奎

Comments 2

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さえき奎
さえき奎  
Re: 青空

がちょーさん、今晩は。

> 青空も良いですね!
> 私も空を見ているといやされますよ♪
> 青い空にうろこ雲。見ていても心が和みました^^

大気光学現象も魅力いっぱいなんですが、ただの雲もいいものです。
イギリスに「雲を愛する会」というのがあってそこの代表の方が出版した本に
「雲に何かの形を見出す人は精神分析医にかかる費用を節約できる」と
書いてありました(笑)。

2019/05/19 (Sun) 00:59 | EDIT | REPLY |   
がちょー  
青空

青空も良いですね!
私も空を見ているといやされますよ♪
青い空にうろこ雲。見ていても心が和みました^^

2019/05/18 (Sat) 20:54 | EDIT | REPLY |   

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