え、それって白菜じゃないでしょう?── 道産子のキャベツ愛について語ってみる

「『特性要因図』みたいな巻雲」 Canon EOS 5Ds R, EF24-105mm F4L II IS USM, f11, 1/125sec., ISO100, WB:Daylight
「肋骨巻雲」という巻雲の一変種。「特性要因図」で頷いたあなた、お互い苦労しましたな(笑)。
白菜が美味い季節になって来た。皆さんのサイトへお邪魔しても、白菜の話題などを見かけるし、いよいよ冬本番という感じだね。ところで、俺の郷里北海道では白菜の代わりに、わりとフツーにキャベツを使ったりすることが多いんだよ。「代わりに」というのは正しくないな。決して白菜の代用品として使っているわけじゃないんでさ。むしろ白菜より積極的にキャベツを使うような気がする。あ、だからといって白菜が嫌いとか食べないってことじゃないよ。俺が子供の頃、晩秋になるとばあちゃんが大根や白菜干しをするのを手伝わされたりしたんだからさ(笑)。家の壁に何列か並べて干していたから、けっこうな量だったと思うよ。
具体的にいうと、道産子のソウルフード(今もそうなのかはちと自信がないんだけど)石狩鍋では、本州方面で鍋の定番である里芋や白菜ではなく、ジャガイモとキャベツを入れるのがデフォルトなんだよ。もちろん白菜入れる家もあるんだろうけど、それはあくまでも石狩鍋のバリエーションってことなんだよね(笑)。まあ、ジャガイモは当然として、ポトフとかボルシチなどという洋風鍋ならともかく、和風鍋にキャベツってのはちょっと珍しいよね。でもこれが美味いんだよなあ。あ、以前に「え、すき焼きって豚肉じゃないの?── 道産子のソウルフードなどについて語ってみる」なんて記事を書いたけど、すき焼きに入れるのも、白菜よりキャベツであることが多い。俺の実家では90%キャベツだったな。大体、石狩鍋にしてもすき焼きにしても、子供的にはキャベツ人気が圧倒しているからどの家でも必然的にそういう傾向になるんだね(笑)。
漬け物にしても、キャベツの漬け物の方が人気が高いし、俺ん家でもだんだん白菜が減ってキャベツ漬けが多くなって来たと記憶しているよ。ばあちゃんが漬けたキャベツのニシン漬けなんて、思い出すだけでよだれが出て来るよ。もう久しく食ってないけどね。キャベツとシャケの「挟み漬け」(「重ね漬け」ともいうし、洒落れ込んで「ミルフィーユ」なんていったりもする)も、めちゃうまで大好物だった。おやつ代わりにばくばく食ったりして、おふくろに叱られたりしたもんだけど、多分材料単価が高かったんだろうな(笑)。えーと、言葉で説明するのは難しいんで写真を見てほしいんだけど、要はシャケとキャベツを交互に重ね、途中に昆布も入れたりして、まさしくミルフィーユ状にした漬け物のことなんだよ。今でも北海道特産品の漬け物として買えるんだけど、ずいぶんお高くなってしまったので正月くらいにしか食えないのが残念だ。あ、これには白菜バージョンもあるよ。あるんだけど、キャベツの方が圧倒的に人気があるし美味いんだよね。あくまでも「道産子」的にはだけど(笑)。

「シャケとキャベツ・白菜の挟み漬け(左がキャベツで右が白菜)」
出典:「北彩庵・二種のミルサーモン」 TOKYU NET SHOPPING
挟み漬けやニシン漬けに限らず、キャベツの漬け物って北海道はもちろん、東北なんかでもわりと普通みたいなんだが、関東地方ではあまり見かけないのがちと淋しい感じがする。こっちじゃ圧倒的に白菜優位だよね。白菜も決して嫌いじゃないんだけれど、たまにはキャベツの漬け物を無性に食いたくなる。道産子の俺にとっては、キャベツと白菜の関係って、ジャガイモとサトイモの関係みたいなもんなんだよね(参照:「え、豚汁ってジャガイモじゃないの?── 道産子の常識と非常識について語ってみる」)。みなさんの地方ではどうなんだろうか。

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