特別企画 ── 秋忘れ「酒の短歌大会」をやってみる

「飲んでいる自分の姿にほろ酔いを」 Canon EOS 5Ds R, EF24-105mm F4L II IS USM, f16, 1/125sec., ISO100, WB:Daylight
タイトル引用:いつもお越しいただいている"がちょーさん"にいただいたコメントより。
夏にやった「納涼『怖い?短歌大会』をやってみる」に続いて「秋忘れ『酒の短歌大会』をやってみる」をやってみることにした(笑)。酒の短歌大会であるからにして、アルコール燃料を補給しながら書いているんだが、遅々として筆が進まないのは補給が足りないせいだ。絶対そうに違いない・・・と思う。
短歌とか聞くと、思わず引いてしまいたい気持ちになるあなた。そう、あなたのことです(笑)。短歌なんて、基本三十一文字からなる短い詩に過ぎません。いうなれば、作者がその一瞬一瞬の情景や心境を切り取った「言葉の写真」なんです。写真をざっと眺めるように、ざっと読み流してくださいな。飲んべえのあなたなら、きっと「はは・・・」なんて思うフレーズがあるかも知れません。下戸のあなたなら「こんなこと考えてんだ、サケノミは・・・」なんて発見があるかも知れないです。何もないかも知れないですが、ワガママ管理人に免じてしばしの間お付き合いのほどを(笑)。
焼酎に青梅うかぶ薄闇は夜明けを止めたようにせつなし (東直子)
まずは何といってもこの人から。
泣きながら終電間際の階段に座る男と飲みたいビール (佐藤涼子)
どこの線の終電ですか? 俺、階段に座って目薬差して待ってていいですか?
しのぶれど色に出でにけるわたくしと飲む焼酎はおいしいですか (鯨井可菜子)
こんな歌を詠む君と飲んでいて「おいしくない」なんていう男がいたら俺にメールください。すぐ行きます。現代版本歌取りだよね。
二杯目で居眠りしてゐるあなたがゐて家族となりゆく深夜の居酒屋 (知花くらら)
一緒に飲んでいて安心して酔える人と飲む酒が至高の酒です。ただし、それにいつも甘えてはいけない。
たて波とよこ波交差するところアンプの上に立つ缶ビール (俵万智)
「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの (俵万智)
あまりにも有名過ぎて、今では当たり前みたいに感じるけれど、誰もやろうとしなかったあの時代に、初めてこれをやった俵万智さんはやっぱりすごいと思う。
焼酎で身体が停止した旨にニンゲン停止と返信が来る (山川藍)
え、え?・・・あ、いや、何でもないっす(笑)。藍サン、すごいです。俺はしびれました。
ワンカップ大関の瓶に花を挿す男よ部屋に画集のみ置いて (岡崎裕美子)
マテウス・ロゼの空き瓶なんかに挿してるよりはずっとイケてると思うけどな、俺は。
あらざればきっととけあうゆびさきでビールの泡ひとつのこらずつぶす (野口あや子)
赤ワイン干したグラスに白ワイン注ぐあやうさの性欲がある (野口あや子)
うん、順番逆だもんね。え、そういうことじゃないの?
ワインならまかせなさいと云い乍らグラス倒すかこのタコおやじ (本下いづみ)
ああ、やったことも、やられたこともあるなあ・・・(笑)。
「お母さん、結構イイの飲んだでしょ」オッパイ飲みつつ我が
どんどん飲んで大きくなって、早く一緒に飲みたいね、シャトーラトゥール。
わたしいまね かえってすぐね げんかんでね だいのじで でんわしてるの (円満)
かわええ! 食べちゃいたいな、こんなカノジョ。てか、なんで一人で帰したんだ、この男は?
たまご酒つくって来たの光降る面会謝絶のガラスの部屋へ (鈴木美紀子)
今大会で「そういう酒じゃない」酒を詠んだ唯一の作品だね。うん、泣ける人もいるんだよ。
よっぱらいのひとになりたい 完全に自分の事しか見えなくなりたい (森響子)
下戸の人が酒飲みに憧れて詠んだ一首だそうだが、本当にそうなのかなあ・・・? 俺、我が身を振り返ってぶるっとしちゃったけど(笑)。だって「よっぱらってみたい」じゃなくて「よっぱらいのひとになりたい」でしょう?
ネクタイの吐瀉物和えを投げ捨てて眠るよ僕は目覚めるために (木下龍也)
うん、わかる。目覚めなきゃ明日も飲めないもんね(笑)。
底冷えの飲めど飲めども酔えぬ宵差しで
さわさわとグラスの
さりげなく拙作を潜り込ませる。いいんだよ。ここは俺の独裁国なんだから(笑)。

「スコッチを水割りなどというわざわざ不味くする加工を施して飲るのは日本人だけです。オンザロックかストレート+チェイサーで美味しく飲りませう」
画像出典:ふぉと忍者 さん撮影によるこの作品は 写真AC から提供されています。
別に意識して選んだわけじゃないんだけど、どういう訳か焼酎が多いね(笑)。

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