再びブログらしくつらつらと書いてみる

「環水平アークじゃなくても水平なアークはあるんだよ」 Canon EOS 5D Mark II, EF 28-70mm F2.8L USM, f11, 1/250sec., ISO100, WB:Daylight
太陽高度が30度前後の上部タンジェントアーク。22度ハロ(内暈)も微かに確認できる。30度というのは、ちょうど外接ハロが上部と下部のタンジェントアークに分離する頃の太陽高度だ。条件がよければ、緩やかな波形というか平べったくひしゃげたM字形の全体像が見えるはずだが、この時は中央部分のみの出現だった。そういうことなので、正確には水平ではないのだが、その点は環水平アークも同様だ。ただし、色の並び順が逆(上部タンジェントアークは赤色が下、環水平アークは上)なので、私はこれを秘かに「逆水平アーク」なんて呼んでいる。
最近読書時間が減ったなと感じる。サラリーマンやってた頃は、毎日毎日往復4時間もの通勤をしていた。4時間ともなると、もうちょっとした旅行だ(笑)。電車の中でスマホとか見るのは好きじゃないので(ネットというものは、あの小さな画面で見るように作られていないんだよ)、もう読書するしかない。半ば自己強制的にひたすら本を読んだ。それが今はどうだ。その4時間分が完全フリーだというのに、小説の結末が気になってどうしようもなければ、ちょっと仕事の手を休めればいつだって読めるというのに全然本を読まなくなってしまった。読書時間は、実質半分以下に激減しているんじゃないだろうか。それじゃあ、その時間何をしているかというと・・・何をしているんだろうか(笑)。
だからという訳ではないが、昨夜ある歌集をぱらぱらと開いて読みながらふと思った。そういえば和歌に「青空」を詠んだものってないんじゃないか、という素朴な疑問だ。ちょっと万葉集DBで「空」を検索してみる。うーん、やっぱりないな。もちろん空を詠んだ歌はあるんだが、夜の空も多かったりする。「大空」はあるが「青空」はない。まあ「青空」なんて言葉が使われるようになったのは、ずっと後世のことなんだろうなとは思う。もしかしたら"Blue Sky"の訳語が始まりかも知れないから、そうなると明治時代以降ということになる。「青空」の代わりという訳でもないが「み空」は多い。多いというより空は「み空」と詠むのが普通だったらしい。
じゃあ「雲」はどうか。こっちの方が圧倒的に多い。200首ということは「空」の十倍くらいだ。もしかしたら、空よりも雲の方が詠みやすいってことなのか。だとしたら、そのあたりの感覚って現代人とも共通しているのかも知れない。おやおや「白雲」なんてのは普通に詠まれてるじゃないの。うーん「白雲」はあったが「青空」という言葉はまだなかったのか・・・そういうことでいいのか。そう言えば、近現代短歌でも「青空」を入れている作品はあまりないような気もする。「空は青い」に決まっているが、雲は白かったりグレーだったり黒かったりするからな。三十一文字で二文字の差は大きいよな・・・などと考えてもよくわからんので宿題とする(笑)。
後れ居て我が恋ひ居れば白雲のたなびく山を今日か越ゆらむ (万葉集 詠み人知らず)
(読み) おくれゐて、あがこひをれば、しらくもの、たなびくやまを、けふかこゆらむ
(現代語訳) 家に残された私はあなたのことを帰りを待ちわびています。今日は白雲のたなびくあの山を越えている頃でしょうか。
み空行く名の惜しけくも我れはなし逢はぬ日まねく年の経ぬれば (万葉集 詠み人知らず)
(読み) みそらゆく、なのをしけくも、われはなし、あはぬひまねく、としのへぬれば
(現代語訳) 空に広がるような噂なんても気にもしません。逢えない時が長くて年が過ぎてしまったのですから。
画用紙は青でいっぱいのコウタロウ 万引き癖と青空癖持つ (浅羽佐和子)
わらう鳥わらう神様わらう雲チャックゆるくてふきだす涙 (東直子)
浅羽佐和子さんの一首は、冒頭から想像するような「ほんわか」と子供を詠んだ歌ではない。「青空癖」とタイトルされた作品群の中の一首で、副題に「丘の上にある児童養護施設の日々」とある。東直子さんの一首は、俺が彼女の作品の中でもっとも好きな歌のひとつだ。初めて読んだ時「ああ、俺もチャックゆるい人なんだ」ということがよくわかった(笑)。是非音読してみてほしい。

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