【再掲】 ミツバってお金出して買うものだったの? ── 故郷の山菜について語ってみる

木漏れ陽に浮かび上がった野生のミツバ。ミツハはこのようにあまり陽の射さない山林を好む。ここに写っているのは大半がミツバであるが、左下の2本は猛毒のエゾトリカブトの新芽だと思われる。葉がミツバ同様に3深裂するが、側小葉は更に2裂していて一見5裂葉のように見えるのが特徴だ。他にキツネノボタンらしきものも見えるがこれも毒草だ。トリカブト属の仲間やキツネノボタンは、食用となるセリ科のミツバやニリンソウ、イチリンソウといった同じキンボウゲ科の植物と混生することが多い。慣れた人なら判別は難しくないが、摘むときにうっかり混採してしまうこともあるので要注意の毒草だ。実は、撮影時には全く気がついていなかった(笑)。
今日は所用で出かけたついでに、本当に久しぶりにチャーシューメン大盛り+ライスを食べて来た。気がついたらライスも大盛りでオーダーしていた(笑)。もちろん、まず最初に「チャーシュー・メンマ丼」をこさえて食べたことは言うまでもないんだけどね(笑)。満足したかって? そりゃあ、満足したよ(笑)。ということで、今夜の晩飯はレタス・トマトサラダとミニ冷しゃぶだけなんだよね(笑)。
さて本稿は、昨年6月に掲載した記事を加筆・修正したものだ。子供の頃から親しんできた故郷北海道の山菜をご紹介させていただきたいと思う。暫しお付き合いの程を。
上掲の写真は、数年前帰郷した際にそこらの林に入って撮影した野生のミツバだ。春から夏にかけていつでもいくらでも採れたので、おひたしや和え物、お吸い物の具などに使う際に採ってくるのは俺の仕事だった。だからまさかこれに金を払って買うことになるなんて夢にも思っていなかったし、大人になってからスーパーで売ってるのを見かけた時には仰天したものだ(笑)。今考えて見れば正月の雑煮とかにも入っていたので、山で採れない季節には店で買っていたのだろうが、そこまでは気が回らなかった(笑)。最近はエキノコックス症に感染する恐れがあるので、昔のように食べるのはちょっと抵抗があるんだよね。
以前ご紹介したエゾブキ(参照:気分はすっかりコロポックル ── エゾブキのある光景)に加えてミツバやウド、そしてアイヌネギ(ギョウジャニンニク)は故郷の四大山菜だった。もちろん、この他にもワラビ、ゼンマイ、コゴミ(クサソテツ)などのシダ類やミズ(ウワバミソウ)、ヨモギ、セリにボリボリ(ナラタケ)やラクヨウ(ハナイグチ)などのキノコ類などもよく採った。もちろんヤマブドウやコクワ(サルナシ)やノイチゴ、キイチゴ類も採ったが、これらはワイルドフルーツだから本来は「山果」とでも呼ぶべきもので「山菜」と一緒くたにして呼ぶのはどんなものだろう(笑)。もっとも当時は「山菜」などという洒落た言葉を知るよしもなかったので、特にひと括りにした呼び名などはなくそれぞれの名で呼んでいた。ミツバはあまり陽の射さない山林で、エゾブキは沢筋や山道の脇など至るところで採れたし、ウドは日当たりのよい斜面に多く、アイヌネギは少々山奥に入らなければならなかったが子供でも普通に見つけて採集できた。
ウド(山ウド)は草本なんだけど、実はタラノキの仲間だ。柔らかくよい香りがしてしゃきしゃきとした食感もよく、甘めの酢ミソ和えにすると大変美味で子供の頃から大好物の一つだった。もっとも「ウドの大木」の例え通りに、旬を過ぎるとたちまち2m近くに成長して茎も木のように固くなってしまうので、とても食用にはならなかった。ウドも内地へ出て来てからスーパーで売っているのを見かけて、懐かしさのあまりつい買ってしまった。しかし、白くてやわらかく香りもほとんどしない缶詰のアスパラガスのような食感だった。調べてみたら「ウドのもやし」とでもいうべき栽培もので山ウドとは似ても似つかぬものだった。
アイヌネギは、北海道全般でもっとも人気のある山菜の一つで、地元では誰も「ギョウジャニンニク」などと正式名で呼ぶものはいない。というか、アイヌネギが正式名だと思っている人が大半だろう(笑)。初めて採集に連れて行ってもらった時は、スズラン(実は毒草)と間違えないように大人から実地指導を受けたことを覚えている。葉が似ているだけではなく、時として同じところに生えるので実に紛らわしいんだよね(笑)。現実に誤食事故も後を絶たないだけど、どちらも独特の強い芳香を有しており、それゆえに一度覚えてしまえば識別は決して難しいものではない。というか、あの匂いをどうして間違えるかなと思う(笑)。最初は強いニンニク臭が嫌であまり好きにはなれなかったが、何度も食べるうちに次第にその美味さがわかるようになった。飲んべえの親父が酒の肴としてアイヌネギに目がなく、俺も自分で酒を飲るようになった10代後半頃から一緒に肴として食べるようになった(笑)。卵とじ、おひたし、テンプラにすると美味い。もちろん、先に触れたように酒の肴としても最高の一品だ。


出典(写真左):「ウド」(2019年5月3日 (金) 02:56 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

出典(写真右):「ギョウジャニンニク」(2019年3月16日 (土) 13:50 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

こういう記事を書いていると強い望郷の念に駆られる。まあ、今の仕事はどうしても東京に近いところにいなければならないということはないし、少しでもしーちゃんとの想い出に近いところにいられるし・・・。「思い切って帰ろうか」「いやいや、このぼけーっとした本州の気候に慣れきった今のお前が、あのシバレに耐えられると思ってるのか」なんて声も聞こえたりするんだが、そんなことを思う今日この頃である。どうしても話を、酒を飲みたくなる方向へ持って行ってしまうんだよね、最近は(笑)。

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